民事再生③(事業の継続を前提とした鑑定評価)
今回から、事業の継続を前提とした処分価格の鑑定評価について、具体的に説明していきたいと思います。
1.原則
原則として、早期売却市場を前提とした鑑定評価の三手法を適用することとする。
即ち、早期処分を前提とし、収益価格を標準とし、比準価格を比較考量して鑑定評価額を決定する。この決定に当たっては、積算価格による検証を行う。
2.例外(原則に拠り難いとき)
資料収集面の制約等により、上記1の原則に拠り難い場合は、収益価格を標準とし、「早期売却市場減価の手法」に基づく試算価格を参考に鑑定評価額を決定する。
3.実務上の一般的な鑑定評価手法
事業の継続を前提とした処分価格の取引事例を収集することは、通常は困難である。
従って、一般的には比準価格は求め難いので、実務上は、上記2記載の方法に拠ることとなる。
即ち、当該事業の継続を前提としたDCF法による収益価格を標準とし、早期売却市場減価の手法による価格(積算価格×早期売却市場減価修正)を参考として鑑定評価額を決定する。
上記3. 実務上の鑑定評価手法について、次回から具体例をまじえて説明していきたいと思います。
-日本アプレイザル㈱-