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「不動産カウンセラー」制度について  ー不動産鑑定士・不動産カウンセラー京野賀典ー

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不動産カウンセラーとは、経験豊富な不動産鑑定士を基盤とするいわゆる不動産コンサルタントであり、不動産のカウンセリング全般に関する高度な専門知識と高い職業倫理を有する者に対して与えられる称号です。

不動産カウンセラー制度は、アメリカでは昭和28年(1953年)に既に創設されていましたが、我国では昭和62年秋頃から検討が開始され、平成元年11月に(社)日本不動産鑑定協会内に不動産カウンセラー部会として設立され、其の後、平成18年4月に「特定非営利活動法人日本不動産カウンセラー協会」に移行し、現在に至っています。

不動産カウンセラー制度設立直前の平成元年10月には、不動産鑑定士の重鎮を中心とする有志によりアメリカ視察旅行が催行され、若輩の私も不動産鑑定士の先輩である菊池一雄氏と共に参加し、シカゴにあるアメリカ不動産カウンセラー協会を表敬訪問しました。

なお、不動産業のいわゆるコンサルタント部門として、平成5年度から不動産流通近代化センターが実施した「不動産コンサルティング技能登録者」制度が始まり、私も最初の試験を受験し、合格しました。

平成元年10月のアメリカ視察旅行は、まずアメリカ不動産カウンセラー協会のあるシカゴに行きました。シカゴでの印象は、建物の素晴らしさもありますが、一番印象に残った事は上記写真です。

上記写真は、シカゴ大学にあるアインシュタインの功績を称える原子力爆弾の開発記念碑です。

アインシュタインの功績を称える開発記念碑を見て、小学校6年の修学旅行で見た広島の「原爆ドーム」の事を思い出しました。

同一事象が、各々の立場によって相反する見方になるんだなと強く感じました。

この印象を自分の職業である「不動産の鑑定評価」に照らして考えた時、安く買いたい借りたい需要側と高く売りたい貸したい供給側との関係、即ちお互いの利益が相反する需給関係を基盤とする不完全な不動産市場を代行する不動産鑑定士の社会的公共的意義は極めて重大であることを再認識させられた出来事でした。

シカゴでアメリカ不動産カウンセラー協会を表敬訪問し、其の後ニューヨークへ行きました。

ニューヨーク滞在中の平成元年10月17日にサンフランシスコ大地震(ロマ・プリータ地震)が発生し、翌日のサンフランシスコ行きはキャンセルとなり、ニューヨーク滞在が延び、其の後ロサンゼルスへ行きました。

ニューヨークでの滞在が延びた結果、初めてミュージカルを鑑賞しました。劇場前で若い男性が安いチケットを2枚購入し、彼女を待っている姿が印象的でした。

ロサンゼルスでは、山口高校バスケットボール部の一年後輩である中村史郎君がロサンゼルスレイカーズのチケットを用意してくれており、初めてNBAの試合を観戦しました。マジック・ジョンソンの軽快なパスプレー、チャールズ・バークレーのパワーフォワードとしてのゴール下の強さ等には本当に感嘆し、アメリカ視察旅行を公私共に有意義に締めくくることが出来ました。

-日本アプレイザル㈱-